あきほ整骨院の本棚から 四冊目
- 一雄 秋穂
- 3月25日
- 読了時間: 3分
「正体術健康法」谷口書店
1986年3月15日初版第1刷発行 高橋迪雄

53頁
「もちろん矯正の方法は、種類や程度が無数にあって、その人の体質により、また不正の箇所、程度により、男女老若により、気候の変化、暗により、みな手心が必要です。気候によって違うというのは、一応不思議に聞こえますが、事実私どものからだは、時間により気候天候により、思いのほかの影響をうけるものです。早い話が、曇った日と晴れた日とでは気持がまるで変わるもので、それはつまり、からだがそれだけ変化するわけです。
朝と晩とも、もちろんちがいます。単に心持だけでなく、正確に精密に計れば、身長も朝は高く夕方は低くなります。体温にも変化のあることが、医学上にも認められています。同じ矯正法でも、夏の暑い日にやるのと、秋の涼しい朝にやるのとでは、夏の方が全身がゆるんでいて利きすぎるものです。」
この本は一冊目から三冊目で紹介した操体法の創始者橋本敬三医師も著書の中で、体の歪みを矯正方法の参考としたと紹介していた高橋迪雄氏によって書かれた本です。この本との出会いは操体法を勉強し始めた頃に父の本棚を漁っていると「操体法の源流」との見出しがついた本なので早速読んでみたら理論的にも実技的にも当時の自分にとって到底理解し難いもので一度読んだだけで放置していたのですが、三十三冊をセレクトするために読み直してみると、この三十年間の内に私自身が疑問に持った内容が記載してあったので、自分自身の三十年間の進化を実感させてくれた一冊と言えるかもしれません。
上に抜粋した分ですが、気候や天気、1日の中に置いても体の歪みが変化して体調が変化すると言うのは現在「気象病」や「寒暖差アレルギー」などと呼ばれている少女ですね。広く分類するなら「花粉症」などもこの中に含まれるものだと思います。
この様な体の変化と言うのは、血液検査や各種画像診断装置で測定してみても中々判定し難いものだと思います。患者さんのお話をよく聴いて、頭のてっぺんから足の先までの形態変化を捉え、筋肉と関節の状態を触知することで、初めて感じる事が出来るのです。
三十年前に初めてアシスタントとして患者さんに低周波のパットを装着する際に、「筋肉の凝ってる所に付けて」と言われても全く変化を感じ取れなかった私でも、それなりの治療者として成長する事が出来るのだから、石の上にも三年と言うのは理にかなっている気がします。
もうひとつこの本の中から皆さんのセルフケアのヒントになる部分をご紹介します。
「まず自分のからだの骨格の不正の部分を見つけ出すことに没頭して、不正の見当がついたら、今度はそれが治るように、手足を動かしてみるのです。ある形にしたとき、その不正が治るようでしたら、今度は全身の力を抜いた形ーつまり寝るのが普通ですーにしておいて、その部分だけ必要な形に動かし、不正の治る形でジッと3秒か5秒とめておいて、急に力を抜いてグタリと落としてしまうのです。
この全身の力を抜き、その部分だけ動かし、しばらく止めておいてガタリと力を抜き切るところに、矯正法の秘伝があるのです。」
この矯正方法、あきほ整骨院にご通院の皆さんにとっては良くご存知のあの運動。
まず仰向けに寝ます。そこから息を吐きながら踵と腰と肘を支点にして腰と背中を反らします。この時動きに制限が感じられるようであれば骨格に歪みが生じています。痛みがなくスムーズに動けるように全身の動きを操りながら、安定する位置で3から5秒呼吸を整えて急速脱力を行うと体の余計な緊張が緩み骨格の不正が修正されます。動画をくっつけておきますので、参考にしながら是非やってみてください。大切なのは脱力。脱力後すぐ動き出さずにしばらくはダラ~っと漂って見てください。より深いリラクセーション効果が得られますよ。
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